いのりのもり祈りの杜仮称

祝詞・草鹿砥宣隆撰・賀茂経春閲『祭文例』(1869年)

祈造酒(さけつくるをいのる)(1869年刊本(ねんかんぽん))

酒造りの作業が誤りなく進み、良い酒ができ、家族や働く人々の暮らしが栄えることを願う詞です。「何某」は原本の氏名欄で、特定の神社の現行祝詞ではありません。

掛(かけ)まくも畏(かしこ)き吾大神(わがおほかみ)の大前(おほまへ)に、恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(まを)さく。

何某(なにがし)が酒醸む(さけかむ)業(わざ)に、吾大神(わがおほかみ)神長柄(かむながら)高(たか)き貴(たふと)き恩頼(みたまのふゆ)を幸(さきは)へ坐(ま)して、朝夕(あさゆふ)に緩事(たゆむこと)なく怠事(おこたること)なく、弥勤(いやつとめ)に勤弥結(つとめいやにり)に結(にり)て、方(のり)の任(まにま)違事(たがふこと)なく過事(あやまつこと)なく、好酒(よきさけ)の美酒(うまさけ)を醸成(かみなさ)しめ給(たま)ひ、

日々(ひび)に給足(つぎたら)ひ、月々(つきづき)に富栄(とみさかえ)て、子孫(うみのこ)の弥継々(いやつぎつぎ)に家門(いへかど)を起(おこ)さしめ給(たま)ひ、広(ひろ)めしめ賜(たま)ひ、

妻子奴(めこやつこ)を始(はじ)めて、手人丁等(てびとよほろら)に至(いた)るまで、己我(おのれが)むきむきあらしめず、邪心(あしきこころ)穢行(きたなきわざ)なく、日(ひ)に異(け)に伊蘇之美勤米(いそしみつとめ)しめ賜(たま)へと、礼代(ゐやじろ)の幣(みてぐら)を捧持(ささげもち)て、恐(かしこ)み恐(かしこ)みも称辞竟奉(たたへごとをへまつ)らくと白(まを)す。

1869年刊本:名古屋大学附属図書館・国文学研究資料館、PDM。古典の文字のみを独自に組版。

出典・参考資料