いのりのもり祈りの杜仮称

祝詞・1911年刊・原本の読み

船玉祓ふなたまのはらひ

1911年刊『神道太祓大全:神拝祝詞』から。原本の万葉仮名の助詞・送り仮名を読み下し、句読点と段落を補っています。歴史的仮名遣いと、この版の字句を残しています。

恐(おそれ)み畏(かしこ)みも船玉大明神(ふなだまだいみやうじん)の廣前(ひろまへ)に申(まうし)て申(まう)さく

倩々(つらつら)慮(おもんみ)れば大御神(おほみかみ)は靈異(くしび)に奇(あや)しき御稜威座(みいつましま)して顯見蒼生(うつしきあをひとくさ)の幸(さいはひ)を守(まも)り給(たま)ひ助(たす)け給(たま)ふ神(かみ)になも座(ま)しける

山行(やまゆか)ば山路(やまぢ)を開給(ひらきたま)ひ陸行(くがゆか)ば陸道(くがみち)を道給(みちびきたま)ひ河川(かはかは)には橋(はし)を渡(わた)して行渡事(ゆきわたること)を令知給(しろしめしたま)ひ

橋(はし)も及(およ)ばぬ大海原(おほうなばら)には船(ふね)を造(つく)りて千里(ちさと)の浦(うら)に行通事(ゆきかよふこと)を教給(をしへたま)ふ

故(ゆゑ)に山口(やまぐち)海上(うみのべ)には手向(たむけ)の神(かみ)と崇祭(あがめまつ)り阡陌(ちまた)には道陸神(だうろくじん)と奉齋(いはひまつ)り海(うみ)は船玉(ふなだま)の神(かみ)と奉仰祭(あふぎまつ)り

甚(いと)も畏(かしこ)き底意(そこい)知(し)られぬ海原(うなばら)を自由自在(こころのまま)に往來(ゆきかふ)は大御神(おほみかみ)の恩賴(みたまのふゆ)こそと

今(いま)大廣前(おほひろまへ)に珍(うづ)の御食(みけ)珍(うづ)の御酒(みき)雜々(くさぐさ)の物(もの)捧(ささ)げ稱辭竟奉(たたへごとをへまつ)る

此狀(このかたち)を聞食(きこしめし)相(あひ)うづのひ給(たま)ひ風波(かぜなみ)の災(わざはひ)無(な)く心(こころ)の儘(まま)に平(たひら)かに安(やす)らかに令通行(かよはしめ)惠(めぐ)み幸給(さいはひたま)へ守給(まもりたま)へと恐(おそれ)み畏(かしこ)みも申(まう)す

底本:国立国会図書館デジタルコレクション、保護期間満了(PDM)。現代刊の『神道大祓全集』とは別の資料です。

出典・参考資料