いのりのもり祈りの杜仮称

偈・教え・曹洞宗の経文として公開された表記

参同契さんどうかい

「明」と「暗」、「事」と「理」などの対を手がかりに読みます。ここでは訓読の全文を載せています。現代語の説明に置き換えた本文ではありません。

竺土(ちくど)大仙(だいせん)の心(しん)、東西(とうざい)密(みつ)に相附(あいふ)す。

人根(にんこん)に利鈍(りどん)あり、道(どう)に南北(なんぼく)の祖(そ)なし。

霊源(れいげん)明(みょう)に皓潔(こうけつ)たり、支派(しは)暗(あん)に流注(るちゅう)す。

事(じ)を執(しゅう)するも元(もと)これ迷(まよ)い、理(り)に契(かな)うも亦(また)悟(さと)りにあらず。

門門一切(もんもんいっさい)の境(きょう)、回互(えご)と不回互(ふえご)と、

回(え)してさらに相渉(あいわた)る。しからざれば位(くらい)によって住(じゅう)す。

色(しき)もと質像(しつぞう)を殊(こと)にし、声(しょう)もと楽苦(らくく)を異(こと)にす。

暗(あん)は上中(じょうちゅう)の言(こと)に合(かな)い、明(めい)は清濁(せいだく)の句(く)を分(わか)つ。

四大(しだい)の性(しょう)おのずから復(ふく)す、子(こ)の其(そ)の母(はは)を得(う)るがごとし。

火(ひ)は熱(ねっ)し、風(かぜ)は動揺(どうよう)、水(みず)は湿(うるお)い地(ち)は堅固(けんご)。

眼(まなこ)は色(いろ)、耳(みみ)は音声(おんじょう)、鼻(はな)は香(か)、舌(した)は鹹酢(かんそ)。

しかも一一(いちいち)の法(ほう)において、根(ね)によって葉分布(はぶんぷ)す。

本末(ほんまつ)すべからく宗(しゅう)に帰(き)すべし、尊卑(そんぴ)其(そ)の語(ご)を用(もち)ゆ。

明中(めいちゅう)に当(あた)って暗(あん)あり、暗相(あんそう)をもって遇(お)うことなかれ。

暗中(あんちゅう)に当(あた)って明(めい)あり、明相(めいそう)をもって覩(み)ることなかれ。

明暗(めいあん)おのおの相対(あいたい)して、比(ひ)するに前後(ぜんご)の歩(あゆみ)のごとし。

万物(ばんもつ)おのずから功(こう)あり、当(まさ)に用(よう)と処(しょ)とを言(い)うべし。

事存(じそん)すれば函蓋(かんがい)合(がっ)し、理(り)応(おう)ずれば箭鋒(せんぽう)拄(さそ)う。

言(こと)を承(うけ)てはすべからく宗(しゅう)を会(え)すべし、みずから規矩(きく)を立(りっ)することなかれ。

触目(そくもく)道(どう)を会(え)せずんば、足(あし)を運(はこ)ぶもいずくんぞ路(みち)を知(し)らん。

歩(あゆみ)をすすむれば近遠(ごんのん)にあらず、迷(まよ)うて山河(せんが)の固(こ)をへだつ。

謹(つつし)んで参玄(さんげん)の人(ひと)にもうす、光陰(こういん)虚(むな)しく度(わた)ることなかれ。

伝統的な本文と読みを独自に組版。現代の解説・翻訳、元サイトのレイアウト、PDF紙面、音源は転載していません。

出典・参考資料