いのりのもり祈りの杜仮称

教え・伝教大師最澄『山家学生式』の抄出(天台宗のお勤め)

山家学生式(抄)さんげがくしょうしき

伝教大師最澄が比叡山で学ぶ者のために定めた『山家学生式』の一節で、「一隅を照らす」の言葉を含みます。

山家学生式(さんげがくしょうしき)にのたまわく、国宝(こくほう)とは何物(なにもの)ぞ、宝(たから)とは道心(どうしん)なり。

道心(どうしん)ある人(ひと)を名(な)づけて国宝(こくほう)と為(な)す。

故(ゆえ)に古人(こじん)の言(い)わく、径(けい)寸十枚(すんじゅうまい)、是(こ)れ国宝(こくほう)に非(あら)ず、一隅(いちぐう)を照(て)らす、此(こ)れ則(すなわ)ち国宝(こくほう)なりと。

古哲(こてつ)また言(い)わく、能(よ)く言(い)いて行(おこな)うこと能(あた)わざるは国(くに)の師(し)なり。

能(よ)く行(おこな)いて言(い)うこと能(あた)わざるは国(くに)の用(ゆう)なり。

能(よ)く行(おこな)い能(よ)く言(い)うは国(くに)の宝(たから)なり。

三品(さんぼん)の内(うち)、唯(ただ)言(い)うこと能(あた)わず、行(おこな)うこと能(あた)わざるを、国(くに)の賊(ぞく)と為(な)すと。

乃(すなわ)ち道心(どうしん)あるの仏子(ぶっし)、西(にし)には菩薩(ぼさつ)と称(しょう)し、東(ひがし)には君子(くんし)と号(ごう)す。

悪事(あくじ)を己(おのれ)に向(む)かえ好事(こうじ)を他(た)に与(あた)え、己(おのれ)を忘(わす)れて他(た)を利(り)するは慈悲(じひ)の極(きわ)みなり。

古典・伝統的本文と、出典の紙面・公式画像の読みを独自に組版しています。現代の解説・紙面画像・音声は転載していません。現代語訳はこの杜の訳です。

ゆかりの神仏

出典・参考資料