いのりのもり祈りの杜仮称

祝詞・岡部譲の文例・皇学書院『精撰祝詞作例便覧』1921年

病平癒報賽祝詞やまいへいゆほうさいのりと

病が平癒したことを喜び、お礼の供物を捧げ、これからの健やかな暮らしを祈る文例です。「報賽」は、願いがかなったことを感謝してお礼を申し上げる意味です。職姓名・住所何誰などは、原本に置かれた差し替え欄です。

平癒への感謝と日々の守り(へいゆへのかんしゃとひびのまもり)

掛巻(かけまく)も畏(かしこ)き何神社(なにじんじゃ)の瑞(みず)の神殿(みあらか)に鎮座(しずま)す何々大神等(なになにおおかみたち)の大前(おおまえ)に、職姓名(しょくせいめい)、恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(もう)さく。住所何誰(じゅうしょなにたれ)い、何(なに)の痛付(いたつき)に病臥(やみこいふ)し、時速(ときすみや)けく薬(くすり)の功験有(いさおしあ)らしめ給(たま)へ、平(たいら)けく安(やす)けく癒(いや)さしめ給(たま)へと直振(ひたぶり)に乞願奉(こいねぎまつ)りき。

然(しか)れこそ奇(くす)き恩頼(みたまのふゆ)に依(よ)りて、難(かた)き病(やまい)も頓(とみ)に癒(いや)え、心地(ここち)さへ清々敷成復(すがすがしくなりかえ)りぬ。其(そ)を嬉(うれ)み忝(かたじけな)み、報賽(みかえし)の祭典奉仕(まつりつかえまつ)らむと、今日(きょう)の生日(いくひ)の足日(たるひ)に、礼代(いやしろ)の幣帛(みてぐら)を捧(ささ)げ奉(まつ)り、畏(かしこ)み畏(かしこ)みも拝(おろが)み奉(まつ)る何某(なにがし)が真心(まごころ)を、平(たいら)けく安(やす)けく聞食(きこしめ)して。

従今以往(いまよりのち)は弥金々(いよいよますます)健康(すこやか)に、堅磐(かきわ)に常磐(ときわ)に寿命長(いのちなが)く令有在給(あらしめたま)ひ、子孫(うみのこ)の八十連続(やそつづき)に至(いた)る迄茂(までいか)し八桑枝(やくわえ)の如(ごと)く令立栄給(たちさかえしめたま)ひ、家内(いえうち)には禍神(まがかみ)の枉事不令有(まがことあらしめず)、産業(なりわい)を弥進(いやすす)めに進(すす)め給(たま)ひ、其(そ)の家門(いえかど)を弥広(いやひろ)に弥遠(いやとお)に令起給(おこさしめたま)ひ。

過犯(あやまちおか)す事(こと)の有(あ)らむをば、神直日(かむなおび)、大直日(おおなおび)に見直(みなお)し聞直(ききなお)し坐(まし)て、夜(よ)の守(まもり)、日(ひ)の守(まもり)に守護給(まもりたま)ひ幸(さきわ)へ給(たま)へと、畏(かしこ)み畏(かしこ)みも拝(おろが)み奉(まつ)らくと白(もう)す。

古典の本文を独自に組版。現代語訳と英訳は祈りの杜によります。

ゆかりの神仏

出典・参考資料