いのりのもり祈りの杜仮称

天神さまの歌

このたびは(このたびは)

菅原道真(すがわらのみちざね)

菅原道真が旅の途中で詠む歌

このたびは

ぬさもとりあへず

たむけ山(やま)

紅葉(もみぢ)の錦(にしき)

神(かみ)のまにまに

やさしい意味(歌意)

この旅では、お供えする幣の用意もできませんでした。手向けの山の紅葉を錦として捧げますので、神様のお心のままにお受け取りください。

この歌の背景

詞書は、朱雀院(宇多上皇)が奈良へ出かけた折、たむけ山で詠まれたと記します。旅と供え物を重ね、山を彩る紅葉を神への幣に見立てた一首です。ここで呼びかけられる神と、作者である道真公とは別です。

「ぬさ」は神に捧げる供え物。「まにまに」は、そのままに、お心のままに。「このたび」には、この度と、この旅とが重なります。

歌意・解説は、出典をもとに当サイトでまとめたものです。

関わりのある神様

  • 菅原道真公(天神さま)すがわらのみちざねこう

    道真公が神に手向ける心を詠んだ歌。道真公に捧げられた歌ではありません。

  • 渡唐天神ととうてんじん

    渡唐天神としても信仰される道真公の歌です。日本での旅を詠んだ歌で、渡唐の伝説とは分けて紹介します。

  • 北野大明神きたのだいみょうじん

    北野大明神への信仰と関わる道真公が、旅先の神へ思いを向けた歌です。北野大明神に捧げられた歌ではありません。

この歌の出典と、表記

作者・語り手
菅原道真
典拠
『古今和歌集』巻第九・羈旅歌 420番
掲載範囲
一首全文

表記と読み

国際日本文化研究センターの本文によります。濁点を補い、五句に分けました。「あへず・もみぢ」は「あえず・もみじ」と読みます。

古典・伝統歌の本文を掲載しています。現代の翻訳・解説、資料の画像・音声は転載していません。

この歌の出典