如来
薬師如来

薬師如来は、正式には薬師瑠璃光如来といい、東方の浄瑠璃浄土の教主とされます。病の苦しみに寄り添う仏として親しまれますが、その誓願は衣食の不足や困窮など、人々の暮らしの苦しみにも及びます。
薬師寺のご本尊の紹介と、正宝院の図像・真言の解説を分けて掲載しています。宗派や寺院ごとの勤行・礼拝の方法を共通化するものではありません。
東方浄瑠璃浄土のお薬師さま
薬師寺は薬師瑠璃光如来を、東方の浄瑠璃浄土におられる教主と説明しています。薬師三尊では日光菩薩・月光菩薩が両脇に立ち、太陽と月の光のように人々を見守るとされます。薬師如来と、そばに仕える菩薩を一緒に見ると、信仰の広がりが分かります。
出典:奈良薬師寺
十二の願いが向けられる苦しみ
新薬師寺が紹介する十二大願は、薬師如来が菩薩のときに立てた誓いです。病を抱えながら医師や薬に恵まれない人、食べ物や衣服が足りない人などを救う願いが説かれます。病気平癒・心身の安らぎへの信仰は、このような救済の誓願と結びついています。宗教上の誓願の紹介であり、画像や真言の医学的な効果を示すものではありません。
出典:新薬師寺
皇后の回復を願った、薬師寺の始まり
薬師寺の公式沿革は、680年、天武天皇が皇后の病気平癒を願って寺の建立を発願したと伝えます。皇后は後の持統天皇で、造営の事業を引き継ぎました。薬師信仰が実際の寺院の建立と結びついた歴史を知る一例です。
出典:奈良薬師寺
薬壺を持つ姿と、持たない姿
正宝院は左手に薬壺を持つ姿を紹介する一方、奈良時代の像には薬壺を持たない例もあると説明しています。持ち物が同じでなければ薬師如来ではない、というわけではありません。制作年代や寺院の伝来をあわせて見ることが大切です。
出典:飛不動尊 正宝院
真言
小咒
おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
出典:飛不動尊 正宝院・四国霊場第22番札所 平等寺
中咒(天台宗・与楽寺の表記)
オン ビセイゼイ ビセイゼイ ビセイジャ サンボリギャテイ ソワカ
天台宗の与楽寺が「中咒」として公開する表記です。天台宗・台密のすべての伝承に共通する唯一の表記とするものではありません。
出典:天台宗 医王山 与楽寺
大呪(大陀羅尼)
のうまく さまんだ ぼだなん ばいせいじゃ くろ ばいちょりや はらばあらんじゃや たたぎゃたや たにゃた おん ばいせいぜい ばいせいぜい ばいせいじゃ さんぼりぎゃてい そわか
平等寺が公開している大呪の表記です。小咒とは別の項目として示します。
出典:四国霊場第22番札所 平等寺
出典に示される表記です。宗派・伝承による違いを尊重し、唱えることや回数を指定しません。
つながりのある神仏
ゆかりの寺社
御縁日
- 毎月8日・三十日秘仏
- 毎月12日
出典・参考資料
- 奈良薬師寺「金堂」(2026-10-14 確認)
- 神仏霊場会「薬師寺」(2026-10-14 確認)
- 新薬師寺「十二の願い」(2026-10-15 確認)
- 奈良薬師寺「薬師寺デジタル絵巻」(2026-10-15 確認)
- 飛不動尊 正宝院「仏様の世界:薬師如来」(2026-10-14 確認)
- 飛不動尊 正宝院「仏様の世界:十三仏」(2026-10-14 確認)
- 四国霊場第22番札所 平等寺「薬師如来とは:おとなえする真言」(2026-10-15 確認)
- 天台宗 医王山 与楽寺「薬師如来真言・中咒(公式動画の説明欄)」(2026-10-15 確認)
- 飛不動尊 正宝院「縁日・三十日秘仏」(2026-10-16 確認)