いのりのもり祈りの杜仮称

ダンマパダ「花の章」

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関西パーリ語実習会 日本語訳

野の花を傷つけずに蜜を集める蜜蜂。
花の色や香りを損なわずに蜜を集める蜂。村を歩く聖者のあり方を、この姿にたとえています。

日本語訳の本文

花の章

SC 44 誰が、この地を征圧するのだろう⸺そして、夜魔( 閻魔 )の世を、天を含むこの〔世〕を。誰が、見事に説示された法(真理)の句を〔摘み取るのだろう〕⸺巧みな智ある者が、〔真理の〕花を摘み取るように。

SC 45 学びある者( 有学 )が、〔この〕地を征圧するであろう⸺そして、夜魔の世を、天を含むこの〔世〕を。学びある者が、見事に説示された法(真理)の句を〔摘み取るであろう〕⸺巧みな智ある者が、〔真理の〕花を摘み取るように。

SC 46 この身体を、泡沫の如きものと知って、陽炎の法(性質)あるものと、現に正覚している者は、悪魔の諸々の花の矢(迷いの生存)を断ち切って、死魔の王の見えざるところ(彼岸)に去り行くであろう。

SC 47 まさしく、まさに、花々を摘んでいる執着の意図ある人を、死魔は取って去り行く⸺眠りについた村を、大激流が〔流し去ってしまう〕ように。

SC 48 まさしく、まさに、花々を摘んでいる執着の意図ある人を、まさしく、諸々の欲望〔の対象〕に満足しない者を、死神は〔思いのままに〕支配を為す。

SC 49 たとえば、また、蜜蜂が、色艶と香りある花を損なうことなく、味(蜜)を取って移り行くように、このように、牟尼(沈黙の聖者)は、村を歩むがよい。

SC 50 他者たちの諸々の過ちではなく、他者たちの為したことや為さなかったことではなく、まさしく、自己の、諸々の為したことを、さらに、諸々の為さなかったことを、〔智慧の眼で〕注視するがよい。

SC 51 たとえば、また、好ましく、色艶ある花に、香り無きものがあるように、このように、見事に語られた言葉は、為さずにいる者には、果の無きものと成る。

SC 52 たとえば、また、好ましく、色艶ある花に、香り有るものがあるように、このように、見事に語られた言葉は、為している者には、果の有るものと成る。

SC 53 たとえば、また、山積みの花から、多くの花飾の連なりを作るように、このように、死すべき者(人間)として生まれたなら、多くの善きことを為すべきである。

SC 54 花の香りは、風に逆らって行くことがない。栴檀〔の香り〕は、あるいは、タガラ(伽羅)やマッリカー(ジャスミン)〔の香り〕は、〔風に逆らって行くことが〕ない。しかしながら、正しくある者たちの香りは、風に逆らって行く。正なる人士は、一切の方角に香り行く。

SC 55 栴檀、あるいは、また、タガラ、青蓮、さらに、ヴァッシキー(ジャスミン)⸺これらの香りある類のなかでは、戒の香りが、無上なるものである。

SC 56 すなわち、この、タガラと栴檀〔の香り〕であるが、この香りは、僅かばかりのもの。しかしながら、〔まさに〕その、戒ある者たちの香りは、最上のものであり、天〔の神々〕たちにおいて香りただよう。

SC 57 彼ら、戒を成就した者たちの〔道を〕⸺不放逸の住者たちの〔道を〕⸺正しい了知による解脱者たちの道を⸺悪魔は知らない。

SC 58 たとえば、塵芥の〔堆積する〕場となり、廃棄された大道において、そこにおいて、清らかな香りがあり、意が喜びとする、〔美しい〕蓮華が生じるように⸺

SC 59 このように、塵芥の生類(輪廻する有情)たちのなかにおいて、暗愚と成った〔迷える〕凡夫たちに、正等覚者(ブッダ)の弟子は、智慧によって輝きまさる。

花の章が第四となり、〔以上で〕終了となる。

この杜による要点

本文の下の「要点」は、パーリ語本文と対訳を参照し、この杜が自分の言葉でまとめたものです。訳文の引用ではなく、読み方の一つの手がかりとしてお読みください。語の解釈が複数ある箇所では、掲載訳と要点の読み方が異なることがあります。

対応する本文へ この大地と閻魔の世界と天の世界を、誰が見きわめるのか。誰が、よく説かれた真理の言葉を、花を摘むように選び取るのか。

対応する本文へ 学びの途上にある人が、この世と閻魔の世界と天の世界を見きわめ、よく説かれた真理の言葉を、花を摘むように選び取る。

対応する本文へ この身は泡のようにはかなく、陽炎のような性質のものと見抜いた人は、迷いの花の矢を断ち、死の王の見えない所へ去る。

対応する本文へ 花を摘むことに夢中になるように執着にふける人を、死は連れ去る。眠った村を大洪水が流し去るように。

対応する本文へ 花を摘むことに夢中になるように執着にふけり、欲望に満足することのない人を、死は思いのままにする。

対応する本文へ 蜜蜂が花の色も香りも損なわずに蜜だけを取って去るように、聖者は村を歩む。

対応する本文へ 他人の過ちや、他人がしたこと・しなかったことではなく、自分がしたこと・しなかったことを見つめる。

対応する本文へ 色は美しくても香りのない花があるように、どれほど立派な言葉も、行わない人には実を結ばない。

対応する本文へ 色が美しく香りもある花があるように、立派な言葉は、それを行っている人には実を結ぶ。

対応する本文へ 山積みの花から多くの花飾りを作れるように、人として生まれたなら、多くの善いことを行うことができる。

対応する本文へ 花や香木の香りは風に逆らって広がらないが、正しい人の香りは風に逆らって、あらゆる方角に広がる。

対応する本文へ 栴檀や蓮やジャスミンなど、どんな香りの中でも、戒を守る人の香りが最上である。

対応する本文へ 香木の香りはわずかなもの。戒を守る人の香りは最上で、天の神々にまで漂う。

対応する本文へ 戒を身につけ、怠らずに暮らし、正しい理解によって解き放たれた人の道を、迷いの力は知ることができない。

対応する本文へ 塵芥の積もる捨てられた道端に、清らかな香りの美しい蓮が咲くことがあるように、

対応する本文へ 迷いの中の人々の間にあって、目覚めた人の弟子は、智慧によってひときわ輝く。

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収録した訳と出典

日本語訳:関西パーリ語実習会(2023年公開版)。公開元:SuttaCentral。全26章・423偈と、収録版の結び・摂頌を掲載。

訳文の文字・補足を保ち、ふりがなをこの杜が読書の補助として添えています。この杜による要点は、訳文と分けて掲載しています。

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