ダンマパダ「千の章」
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日本語訳の本文
千の章
SC 100 たとえ、もし、千の言葉あるも、義(意味)なき句の呪文集であるなら、それを聞いて〔心が〕静まる、一つの義(意味)ある句のほうが、より勝っている。
SC 101 たとえ、もし、千の詩偈あるも、義(意味)なき句の呪文集であるなら、それを聞いて〔心が〕静まる、一つの詩偈の句のほうが、より勝っている。
SC 102 そして、彼が、百の詩偈を語るとして、義(意味)なき句の呪文集であるなら、それを聞いて〔心が〕静まる、一つの法(教え)の句のほうが、より勝っている。
SC 103 彼が、戦場において、百万の人間たちに勝利するとして、しかしながら、一つの自己に勝利するなら、彼は、まさに、最上の戦勝者である。
SC 104 〔相手が〕自己であるなら、まさに、〔その〕勝利は、より勝っている。そして、すなわち、この、他の人々に〔勝利するとして、それよりも〕。〔その〕人の自己が調御され、常に自制された歩みあるなら⸺
SC 105 そのような形態の人の勝利を、勝利ならざるものと為すのは、まさしく、天〔の神〕にあらず、音楽神にあらず、梵〔天〕(ブラフマー神)を含む、悪魔にあらず(誰もできない)。
SC 106 彼が、百年のあいだ、月ごとに千〔回〕、祭祀をするとして、しかしながら、自己を修めた者たちの一者を、寸時でさえも供養するなら、まさしく、その供養は、より勝っている。それが、もし、百年の供犠であるとして、〔それよりも〕。
SC 107 そして、その人が、百年のあいだ、林のなかで祭火(アグニ神)を世話するとして、しかしながら、自己を修めた者たちの一者を、寸時でさえも供養するなら、まさしく、その供養は、より勝っている。それが、もし、百年の供犠であるとして、〔それよりも〕。
SC 108 あるいは、供えられたものが、あるいは、捧げられたものが、それが何であれ、世において、功徳を期す者が、まる一年のあいだ、祭祀をするとして、その全てでさえも、〔正しい供養の〕四分の一に至らない。〔心が〕真っすぐに赴いた者たちにたいする敬拝のほうが、より勝っている。
SC 109 〔心が真っすぐに赴いた者たちにたいする〕敬拝を戒として、常に年長者を敬う者には、四つの法(性質)が増え行く⸺寿命、色艶、安楽、活力が。
SC 110 〔心が〕定められていない劣戒の者であるなら、そして、彼が、百年のあいだ、生きるとして、戒ある瞑想者の一日の生のほうが、より勝っている。
SC 111 〔心が〕定められていない智慧浅き者であるなら、そして、彼が、百年のあいだ、生きるとして、智慧ある瞑想者の一日の生のほうが、より勝っている。
SC 112 怠惰で精進に劣る者であるなら、そして、彼が、百年のあいだ、生きるとして、断固として精進に励んでいる者の一日の生のほうが、より勝っている。
SC 113 〔事物の〕生成と衰失(無常)を見ずにいる者であるなら、そして、彼が、百年のあいだ、生きるとして、〔事物の〕生成と衰失を〔常に〕見ている者の一日の生のほうが、より勝っている。
SC 114 不死の境処(涅槃)を見ずにいる者であるなら、そして、彼が、百年のあいだ、生きるとして、不死の境処を〔常に〕見ている者の一日の生のほうが、より勝っている。
SC 115 最上の法(真理)を見ずにいる者であるなら、そして、彼が、百年のあいだ、生きるとして、最上の法(真理)を〔常に〕見ている者の一日の生のほうが、より勝っている。
千の章が第八となり、〔以上で〕終了となる。
この杜による要点
本文の下の「要点」は、パーリ語本文と対訳を参照し、この杜が自分の言葉でまとめたものです。訳文の引用ではなく、読み方の一つの手がかりとしてお読みください。語の解釈が複数ある箇所では、掲載訳と要点の読み方が異なることがあります。
対応する本文へ 意味のない言葉を千並べるより、聞いて心が静まる意味のある一句のほうがすぐれている。
対応する本文へ 意味のない詩を千並べるより、聞いて心が静まる一つの詩のほうがすぐれている。
対応する本文へ 意味のない詩を百唱えるより、聞いて心が静まる教えの一句のほうがすぐれている。
対応する本文へ 戦場で百万人に勝つより、自分ひとりに勝つ人こそ、最上の勝者である。
対応する本文へ 他人に勝つより、自分に勝つほうがすぐれている。自分を調え、常に自制して歩む人の勝利は、
対応する本文へ 神も音楽神も梵天も悪魔も、誰も覆すことができない。
対応する本文へ 百年間、毎月盛大な祭祀をするより、自分を修めた人をひとときでも敬うほうがすぐれている。
対応する本文へ 百年間、林で祭火を守るより、自分を修めた人をひとときでも供養するほうがすぐれている。
対応する本文へ 功徳を求めて一年中供え物をしても、心のまっすぐな人への敬いの四分の一にも及ばない。
対応する本文へ 礼を尽くし、いつも年長者を敬う人には、寿命・美しさ・安楽・力の四つが増す、とこの偈は説く。
対応する本文へ 心が定まらず戒の劣る人が百年生きるより、戒を守り瞑想する人の一日のほうがすぐれている。
対応する本文へ 心が定まらず智慧の浅い人が百年生きるより、智慧をもって瞑想する人の一日のほうがすぐれている。
対応する本文へ 怠けて努力しない人が百年生きるより、固く決意して励む人の一日のほうがすぐれている。
対応する本文へ 物事の生じては滅びるさまを見ない人が百年生きるより、それを見続ける人の一日のほうがすぐれている。
対応する本文へ 不死の境地を見ない人が百年生きるより、それを見続ける人の一日のほうがすぐれている。
対応する本文へ 最上の真理を見ない人が百年生きるより、それを見続ける人の一日のほうがすぐれている。
収録した訳と出典
日本語訳:関西パーリ語実習会(2023年公開版)。公開元:SuttaCentral。全26章・423偈と、収録版の結び・摂頌を掲載。
訳文の文字・補足を保ち、ふりがなをこの杜が読書の補助として添えています。この杜による要点は、訳文と分けて掲載しています。