いのりのもり祈りの杜仮称

ダンマパダ「自己の章」

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関西パーリ語実習会 日本語訳

日本語訳の本文

自己の章

SC 157 もし、自己を、愛しいものと知るなら、それを、善く守られたものとして、守るがよい。〔若年と壮年と老年の〕三つのなかの、どれか一つの時期を、賢者は、〔眠らずに〕起きているもの(若年・壮年・老年という、人生における三つの区分の、すくなくとも、どれか一つにおいて、人は目覚めるべきである)。

SC 158 第一に、自己こそを、適所において確たるものとするがよい。そこで、他者に教え示すがよい。賢者は、〔世事には〕汚されないもの。

SC 159 すなわち、他者に教え示すように、もし、そのとおり、自己に為すなら(自己みずから実践するなら)、〔自己が〕善く調御された者は、まさに、〔他者を〕調御するであろう。なぜなら、自己は、まさに、調御し難くあるからである。

SC 160 まさに、自己は、自己の主。まさに、他者の誰が、主として存するというのだろう。まさに、善く調御された自己によって、得難き主を得る。

SC 161 まさに、自己によって為された悪が、自己から生じ自己から発生する〔悪〕が、思慮浅き者を打ち砕く⸺金剛(ダイアモンド)が、石から作られる宝珠を〔打ち砕く〕ように。

SC 162 蔓草が、〔それに〕覆われたサーラ〔樹〕を〔打ち負かす〕ように、彼に、徹底して下劣な戒があるなら、あたかも、〔彼の〕敵が、彼に求めるように、彼は、そのように、自己に為す(自滅する)。

SC 163 為し易きは、諸々の善ならざること、そして、自己にとって諸々の益ならざること。それが、まさに、かつまた、〔自己にとって〕益となり、かつまた、善となるなら、それは、まさに、最高に為し難い。

SC 164 すなわち、阿羅漢(人格完成者)たちの教えを、法(真理)によって生きる聖者たちの〔教えを〕、悪しき見解に依存して、思慮浅き者が非難するなら、カッタカ〔草〕の諸果のように、自己を滅ぼすために、〔悪しき報いが〕結果する。

SC 165 まさに、自己によって為された悪は、自己によって汚れ、自己によって為されなかった悪は、まさしく、自己によって清まる。清浄と清浄ならざるは、各自のこと。他者が他者を清めることはない(自己が自己を清める)。

SC 166 たとえ、他者の義(道理)が多くあるも、自己の義(道理)を失わないように。自己の義(道理)を証知して、自らの義(道理)を追求する者として存するように。

自己の章が第十二となり、〔以上で〕終了となる。

この杜による要点

本文の下の「要点」は、パーリ語本文と対訳を参照し、この杜が自分の言葉でまとめたものです。訳文の引用ではなく、読み方の一つの手がかりとしてお読みください。語の解釈が複数ある箇所では、掲載訳と要点の読み方が異なることがあります。

対応する本文へ 自分を愛しいと思うなら、自分をよく守る。賢い人は、人生の若年・壮年・老年の少なくともどれか一つの時期に、目を覚ます。

対応する本文へ まず自分自身を正しい所に据え、それから他人を教える。そうすれば賢い人は非難に汚されない。

対応する本文へ 他人に教えるとおりに自分も行うなら、よく調えられた人として他人をも調えられる。自分を調えることこそ難しいのだから。

対応する本文へ 自分こそが自分の主である。ほかの誰が主になれるだろう。自分をよく調えてこそ、得がたい主を得る。

対応する本文へ 自分がした悪は、自分から生じて、思慮の浅い自分自身を砕く。金剛石が石でできた宝石を砕くように。

対応する本文へ 蔓草がサーラの木を覆い枯らすように、ひどく戒の乱れた人は、敵が望むとおりのことを自分で自分にしてしまう。

対応する本文へ 自分のためにならない悪いことは、たやすくできる。自分のためになる善いことは、何より行いにくい。

対応する本文へ 悪い見解に立って、聖者たちの教えをそしる思慮の浅い人は、実をつけると枯れる葦のように、自分を滅ぼす結果を招く。

対応する本文へ 自分が悪をすれば自分が汚れ、自分が悪をしなければ自分が清まる。清いか汚れているかは各自のことで、他人が他人を清めることはできない。

対応する本文へ 他人のためになることが大きく見えても、自分の本当の務めをおろそかにしない。自分にとって大切な目的を見定め、それに励む。

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収録した訳と出典

日本語訳:関西パーリ語実習会(2023年公開版)。公開元:SuttaCentral。全26章・423偈と、収録版の結び・摂頌を掲載。

訳文の文字・補足を保ち、ふりがなをこの杜が読書の補助として添えています。この杜による要点は、訳文と分けて掲載しています。

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