いのりのもり祈りの杜仮称

ダンマパダ「地獄の章」

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関西パーリ語実習会 日本語訳

日本語訳の本文

地獄の章

SC 306 事実ならざることを説く者は、地獄に近づく。あるいは、また、彼が、為して〔そののち〕、さらに、「〔わたしは〕為さない」〔と〕言うなら、〔彼もまた、地獄に近づく〕。両者ともどもに、彼らは、下劣な行為の人間たちとして、死してのち、他所(来世)において、等しき者たちと成る。

SC 307 黄褐色〔の衣〕( 袈裟 )を首にしながら、自制なく悪しき法(性質)の者たちが多くいる。悪しき者たちは、彼らは、〔自己の為した〕諸々の悪しき行為( 悪業 )によって、地獄に再生する。

SC 308 すなわち、もし、自制なき劣戒の者が、国人による〔行乞の〕食を受けるなら、熱せられた、火炎の如き鉄の玉を食べたほうが、より勝っている(悪業を作って地獄に落ちるよりはまだましである)。

SC 309 〔気づきを〕怠り、他者の妻に近しく慣れ親しむ人は、四つの状況を惹起する。〔すなわち〕善ならざる利得(悪しき報い)あること、欲するままに臥せないこと、第三に、非難〔を受けること〕、第四に、地獄〔に落ちること〕である。

SC 310 そして、〔男は〕善ならざる利得ある者となり、かつまた、〔女は〕悪しき境遇ある者となる。恐怖する〔男〕に、恐怖する〔女〕に、そして、歓楽はごく僅か。かつまた、王は、重き棒(罰)を課す。それゆえに、人は、他者の妻とは慣れ親しまぬがよい。

SC 311 あたかも、誤って掴んだ茅〔の葉〕が、まさしく、手を傷つけるように、誤って偏執された沙門の資質は、〔沙門その人を〕地獄へと引きずり込む。

SC 312 それが何であれ、緩慢な行為であるなら、さらに、それが、汚染された掟であり、疑いある梵行(禁欲清浄行)であるなら、それは、大いなる果と成らない。

SC 313 もし、為すべきなら、これを為し、断固として、これに勤しむがよい。なぜなら、緩慢な遍歴遊行者は、より一層、塵を撒き散らすからである。

SC 314 悪行は、〔為すよりは〕為さずにいたほうが、より勝っている。〔為したその〕悪行が、のちに悩み苦しめる〔からである〕。そして、善行は、〔為さずにいるよりは〕為したほうが、より勝っている。それを為して悩み苦しまない〔からである〕。

SC 315 あたかも、辺境にある、内外共に保護された城市のように、このように、自己を保護するがよい。〔この〕瞬間が、あなたたちを過ぎ行くことがあってはならない(瞬時でさえも、虚しく過ごしてはならない)。なぜなら、〔この〕瞬間を〔虚しく〕過ごした者たちは、地獄に引き渡され、憂い悲しむからである。

SC 316 〔彼らは〕恥ずべきではないところで恥じ、恥ずべきところで恥じない⸺誤った見解( 邪見 )を受持しながら、〔迷いの〕有情たちは、悪しき境遇( 悪趣 )に赴く。

SC 317 恐怖なきところで恐怖を見る者たち、さらに、恐怖あるところで恐怖を見ない者たち⸺誤った見解を受持しながら、〔迷いの〕有情たちは、悪しき境遇に赴く。

SC 318 罪過なきものについて「罪過あり」と思い、さらに、罪過あるものについて「罪過なし」と見る者たち⸺誤った見解を受持しながら、〔迷いの〕有情たちは、悪しき境遇に赴く。

SC 319 しかしながら、罪過あるものを「罪過あり」と知って、さらに、罪過なきものを「罪過なし」と〔見る者たち〕⸺正しい見解( 正見 )を受持しながら、〔迷いなき〕有情たちは、善き境遇( 善趣 )に赴く。

地獄の章が第二十二となり、〔以上で〕終了となる。

この杜による要点

本文の下の「要点」は、パーリ語本文と対訳を参照し、この杜が自分の言葉でまとめたものです。訳文の引用ではなく、読み方の一つの手がかりとしてお読みください。語の解釈が複数ある箇所では、掲載訳と要点の読み方が異なることがあります。

対応する本文へ 事実でないことを語る人も、やったことを「やっていない」と言う人も、地獄に近づく。どちらも卑しい行いの人として、死後に同じ所へ行く。

対応する本文へ 僧衣をまとっていても、自制がなく性質の悪い人は多い。悪い人は自分の悪い行いによって地獄に生まれる。

対応する本文へ 自制もなく戒も乱れた人が人々の施しを食べるくらいなら、焼けた鉄の玉を食べるほうがましである。

対応する本文へ 怠って他人の妻に親しむ人は、四つの災いを招く。悪い報い、安眠できないこと、非難、そして地獄である。

対応する本文へ 他人の妻と関係を結ぶ人は、不善を重ね、悪い行き先に至ると説かれる。おびえる二人の楽しみはわずかで、王は重い罰を科す。だからその関係を戒める。

対応する本文へ 茅の葉を誤って握ると手が切れるように、修行者の務めを誤った形で握りしめると、本人を地獄へ引きずり込む。

対応する本文へ だらだらとした行い、汚れた掟、疑いを残した清らかな行いは、大きな実りにならない。

対応する本文へ なすべきことなら、しっかりやり、固く励む。だらだらと歩む遊行者は、かえって塵をまき散らす。

対応する本文へ 悪い行いはしないほうがよい。あとで自分を苦しめるから。善い行いはしたほうがよい。やっても後悔しないから。

対応する本文へ 辺境の城を内も外も守るように、自分を守れ。一瞬もむなしく過ごしてはならない。瞬間をむなしくした人は、地獄に渡されて嘆く。

対応する本文へ 恥じなくてよいことを恥じ、恥じるべきことを恥じない。誤った見解を抱く人々は悪い境遇に赴く。

対応する本文へ 恐れなくてよいものを恐れ、恐れるべきものを恐れない。誤った見解を抱く人々は悪い境遇に赴く。

対応する本文へ 過ちでないものを過ちと思い、過ちを過ちでないと見る。誤った見解を抱く人々は悪い境遇に赴く。

対応する本文へ 過ちを過ちと知り、過ちでないものをそうと見る。正しい見解を抱く人々は善い境遇に赴く。

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収録した訳と出典

日本語訳:関西パーリ語実習会(2023年公開版)。公開元:SuttaCentral。全26章・423偈と、収録版の結び・摂頌を掲載。

訳文の文字・補足を保ち、ふりがなをこの杜が読書の補助として添えています。この杜による要点は、訳文と分けて掲載しています。

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