スッタニパータ「幸福の経」
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日本語訳の本文
2.4. 幸福の経
vns261偈 258〔天神が尋ねた〕「多くの天〔の神々〕たちが、さらに、〔多くの〕人間たちが、諸々の幸福を思い考えました⸺安穏〔の境地〕を望みながら。〔彼らのために〕最上の幸福を説いてください」〔と〕。(1)
vns262偈 259〔世尊は答えた〕「かつまた、愚者たちと慣れ親しまないこと、かつまた、賢者たちと慣れ親しむこと、かつまた、供養されるべき者たちへの供養⸺これは、最上の幸福です。(2)
vns263偈 260かつまた、適切なる地に住すること、かつまた、過去(過去世)に作り為した功徳あること、かつまた、自己についての正しい誓願⸺これは、最上の幸福です。(3)
vns264偈 261かつまた、多聞(博識)、かつまた、技能(手の器用さ)、かつまた、善く学ばれた律(規律)、さらに、すなわち、見事に語られた言葉(虚偽のない真実の言葉)⸺これは、最上の幸福です。(4)
vns265偈 262母と父に奉仕すること、子と妻を愛護すること、そして、諸々の生業が混乱なきこと⸺これは、最上の幸福です。(5)
vns266偈 263かつまた、布施、かつまた、法(正義)の行ない、かつまた、親族たちを愛護すること、諸々の罪過なき行為(業)⸺これは、最上の幸福です。(6)
vns267偈 264悪から遠く離れ離去すること、かつまた、〔人を〕酔わせる飲み物(酒類)から自制すること、かつまた、諸々の法(事象)にたいし〔気づきを〕怠らないこと(不放逸)⸺これは、最上の幸福です。(7)
vns268偈 265かつまた、尊重、かつまた、謙譲、かつまた、知足、知恩の者たること、〔正しい〕時に法(教え)を聞くこと⸺これは、最上の幸福です。(8)
vns269偈 266かつまた、忍耐、素直であること、かつまた、沙門たちと会見すること、〔正しい〕時に法(教え)を論じること⸺これは、最上の幸福です。(9)
vns270偈 267かつまた、苦行、かつまた、梵行、〔四つの〕聖なる真理(四聖諦)を見ること、かつまた、涅槃〔の境処〕を実証すること⸺これは、最上の幸福です。(10)
vns271偈 268世の諸々の法(事物)に触れたとして、彼の心が、動かず、憂いなく、〔世俗の〕塵を離れ、平安であるなら⸺これは、最上の幸福です。(11)
vns272偈 269諸々のこのような〔行為〕を為して、一切所において敗者とならず、一切所において安穏〔の境地〕に至るなら⸺それは、彼らにとって最上の幸福です」〔と〕。ということで⸺(12)
幸福の経が第四となり、〔以上で〕終了となる。
この杜による要点
本文の下の「要点」は、パーリ語本文と対訳を参照し、この杜が自分の言葉でまとめたものです。訳文の引用ではなく、読み方の一つの手がかりとしてお読みください。語の解釈が複数ある箇所では、掲載訳と要点の読み方が異なることがあります。
対応する本文へ 天の神が尋ねた。多くの神々と人間が安穏を願って幸福について考えてきました。最上の幸福を説いてください、と。
対応する本文へ ブッダは答えた。愚かな人と親しまず、賢い人と親しみ、敬うべき人を敬うこと。これが最上の幸福である。
対応する本文へ ふさわしい土地に住み、過去に善い行いを積んでおり、自分に正しい願いを立てていること。これが最上の幸福である。
対応する本文へ 広い学び、技能、よく身につけた規律、そしてよく語られた言葉。これが最上の幸福である。
対応する本文へ 母と父に仕え、妻子を大切にし、仕事が乱れていないこと。これが最上の幸福である。
対応する本文へ 施し、正しい行い、親族を大切にすること、非難されない行い。これが最上の幸福である。
対応する本文へ 悪から離れ、酒を慎み、物事に気づきを怠らないこと。これが最上の幸福である。
対応する本文へ 尊敬、謙虚、足るを知ること、恩を知ること、ふさわしい時に教えを聞くこと。これが最上の幸福である。
対応する本文へ 忍耐、素直さ、修行者に会うこと、ふさわしい時に教えを語り合うこと。これが最上の幸福である。
対応する本文へ 苦行、清らかな行い、四つの聖なる真理を見ること、涅槃を実際に知ること。これが最上の幸福である。
対応する本文へ 世の浮き沈みに触れても心が揺れず、憂いなく、汚れを離れ、安らかであること。これが最上の幸福である。
対応する本文へ これらを行う人はどこでも敗れず、どこでも安穏に至る。それがその人たちにとって最上の幸福である。
収録した訳と出典
日本語訳:関西パーリ語実習会(2023年公開版)。公開元:SuttaCentral。全5章・70経と序・結び、巻末の21詩を収録版の73単位で掲載。
訳文の文字・補足を保ち、ふりがなをこの杜が読書の補助として添えています。この杜による要点は、訳文と分けて掲載しています。