いのりのもり祈りの杜仮称

神様

八咫烏やたがらす

山道の岩に立つ黒い八咫烏。頭から尾、三本の足まで全身が見えるお姿。
熊野で伝わる三本足の烏という特徴を手がかりに制作した創作画。姿勢・岩・山道・朝日は独自の表現で、神社の像や紋章の複製ではありません。

八咫烏(やたがらす)は、神武天皇の東征を助けたと伝わる、神様の使いの烏です。熊野那智大社の境内にある御縣彦社(みあがたひこしゃ)でお祀りされ、導きと交通安全への祈りを集めています。

神話の道案内の場面と、熊野で受け継がれる信仰をたどります。三本足のお姿は、熊野の神社などで親しまれる表現を手がかりにしています。

八咫烏とは、どんな存在?

熊野から大和へ進む神武天皇を導いたと伝わる、大きな烏です。「八咫」は、ここでは大きいことを表します。神話では神々から遣わされる使者として登場し、熊野の信仰では神使として大切にされています。

出典:熊野那智大社・國學院大學(平藤喜久子)

導きと、交通安全を願う

熊野那智大社は、御縣彦社の八咫烏を「導き」「交通安全」の神様として紹介しています。道中の無事を願うときや、これから進む道に思いを向けるとき、その道案内の物語を手がかりに祈れます。

出典:熊野那智大社

『古事記』では、高木神の遣わした烏

『古事記』中巻では、熊野で危機を越えた神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと、神武天皇)に、高木神が八咫烏を遣わします。一行は烏の後を進み、吉野を経て大和へ向かいます。高木神は、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)の別名です。

出典:青空文庫(武田祐吉注釈校訂)

『日本書紀』では、天照大神の夢のお告げ

『日本書紀』巻第三では、山中で道を進めずにいた神武天皇の夢に天照大神が現れ、八咫烏を道案内に遣わすと告げます。一行は烏を追って宇陀へ至ります。後の戦いで弓に止まる「金色の鵄(とび)」は、この八咫烏とは別の場面に登場する鳥です。

出典:『日本書紀』原文(Wikisource翻刻)

なぜ三本足なの?

熊野の神社などでは、八咫烏を三本足で表します。一方、『古事記』の道案内の本文には、足の数は書かれていません。國學院大學の解説では、中国に伝わる「太陽の中の三本足の烏」が、お姿の表現に影響したと考えられています。物語の本文と、後に広まったお姿を分けて読むと理解しやすくなります。

出典:國學院大學(平藤喜久子)

ゆかりの御縣彦社

御縣彦社は、和歌山県の熊野那智大社の礼殿に向かって左手にあります。八咫烏をお祀りするお社として、同大社の公式案内で紹介されています。

出典:熊野那智大社

唱え言葉の一例

祓え給い、清め給え、神(かむ)ながら守り給い、幸(さきわ)え給え

神社本庁が、神社や神棚で唱える場合がある言葉として紹介する一例です。その神様だけの真言や、必須の作法ではありません。唱える回数も、このサイトでは指定しません。

つながりのある神仏

ゆかりの寺社

物語を読む

『古事記』から

『日本書紀』から

出典・参考資料