いのりのもり祈りの杜仮称

祝詞・1911年刊・原本の読み

鎭火祝詞ひしづめののりと

1911年刊『神道太祓大全:神拝祝詞』から。原本の万葉仮名の助詞・送り仮名を読み下し、句読点と段落を補っています。歴史的仮名遣いと、この版の字句を残しています。 「吾名妹」の読みは底本の傍訓「わがなせ」に従っています。

高天原(たかまのはら)に神留座(かみとゞまりましま)す皇親(すめむつ)神漏岐(かみろぎ)神漏美(かみろみ)の命(みこと)をもつて皇御孫命(すめみまごのみこと)をば豐葦原(とよあしはら)の水穗(みづほ)の國(くに)を安國(やすくに)と平(たひら)けく所知食(しろしめせ)と天下(あめのした)所寄奉(よさしまつり)し時(とき)に事奉仍(ことよさしまつり)し天津祝詞(あまつのりと)の太祝詞(ふとのりと)の事(こと)をもつて申(まう)さく

神伊佐奈岐(かむいざなぎ)伊佐奈美(いざなみ)の命(みこと)妹背(いもせ)二柱(ふたはしら)の神(かみ)嫁繼給(とつぎたまひ)て國(くに)の八十國(やそくに)嶋(しま)の八十嶋(やそしま)を生給(うみたま)ひ八百萬神等(やほよろづのかみたち)を生給(うみたまひ)て麻奈弟子(まなおとご)に火結(ひのむすび)の神(かみ)を生給(うみたまひ)て美保止(みほと)焼被(やかえ)て石隱座(いはがくれまし)て夜七日(よなぬか)晝七日(ひなぬか)吾(われ)を奈見給(なみたま)ひそ吾奈脊(わがなせ)の命(みこと)と申(まう)し給(たま)ひき

此(こ)の七日(なぬか)には不足(たらず)して隱座事(かくれますこと)奇(あやし)て見所行(みそなは)す時(とき)に火(ひ)を生給(うみたまひ)て御保止(みほと)所焼座(やかえましき)

如是時(かかるとき)に吾奈脊(わがなせ)の命(みこと)吾(われ)を見給(みたま)ふなと申(まうし)て吾(われ)を見阿波多之給(みあはたしたまひ)て申給(まうしたまひ)て吾名脊(わがなせ)の命(みこと)は上津國(うはつくに)を所知食(しろしめす)べし吾(われ)は下津國(したつくに)を所知食(しろしめさ)んと申(まうし)て石隱給(いはがくれたまひ)て與美津牧坂(よみつひらさか)に至座(いたりまし)て所思食(おぼさ)く吾名妹(わがなせ)の命(みこと)の所知思(しろしめ)す上津國(うはつくに)に心惡子(こころさがなきこ)を生置(うみおき)て來(き)ぬと宣(のりたまひ)て返座(かへりまし)て更(さら)に生子(みことうむ)水神(みづのかみ)瓠(ひさご)川菜(かはな)埴山姫(はにやまひめ)四種(よくさ)の物(もの)を生給(うみたまひ)て

此(こ)の心惡子(こころさがなきこ)の心荒(こころあら)びそば水神(みづのかみ)瓠(ひさご)埴山姫(はにやまひめ)川菜(かはな)を持(もち)て鎭奉(しづめまつ)れと事教悟給(ことをしへさとしたまひ)き

依之(これによりて)雜々(くさぐさ)の物(もの)を備(そなへ)て天津祝詞(あまつのりと)の太祝詞(ふとのりと)の事(こと)をもつて稱辭竟奉(たたへごとをへまつ)らくと申(まう)す

底本:国立国会図書館デジタルコレクション、保護期間満了(PDM)。現代刊の『神道大祓全集』とは別の資料です。

ゆかりの神仏

出典・参考資料