いのりのもり祈りの杜仮称

祝詞・皇学書院『精撰祝詞作例便覧』1921年・祭文私稿の文例

薬神祭祝詞やくしんさいのりと

医薬の道を始めた二柱として、大穴牟遅大神と少名毘古那大神をお招きし、医師の仕事と人々への助けに感謝する詞です。刊本では「祭文私稿」による文例と記されています。「少彦名祓」という別題の本文と同一であるとはしていません。

二柱の薬神をおまつりする(ふたはしらのやくしんをおまつりする)

此(こ)の小床(おどこ)を伊都(いつ)の真舎(まや)と由麻波利(ゆまわり)清麻波利(きよまわり)、招奉(おぎまつ)り斎鎮奉(いわいつまつ)る、掛巻(かけま)くも畏(かしこ)き大穴牟遅大神(おおなむちのおおかみ)、少名毘古那大神(すくなびこなのおおかみ)、二柱大神(ふたはしらのおおかみ)の大前(おおまえ)に、慎(つつし)み敬(うやま)ひ恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(もう)さく。

顕見(うつしみ)の世(よ)の人等(ひとら)が苦瀬(うきせ)に落(お)ちて阿都加比悩(あつかいなや)む病(やまい)を治(おさ)むる薬(くすり)の方(みち)を始(はじ)め給(たま)ひ、何某(なにがし)が家(いえ)の業(なりわい)と勤(いそ)み務(つと)むる医師(くすし)の業(わざ)に奇(くす)く尊(とうと)き御霊幸(みたまさきわ)ひ給(たま)ひて、諸(もろもろ)の人(ひと)を助(たす)け給(たま)ひ救(すく)へる広(ひろ)き厚(あつ)き恩頼(みたまのふゆ)を重(おも)み奉(まつ)り忝(かたじけな)み奉(まつ)りて。

御祭仕奉(みまつりつかえまつ)らくと、宇豆(うず)の御酒(みき)、御食(みけ)、種々(くさぐさ)の物(もの)を礼白(いやじろ)の幣帛(みてぐら)と捧奉(ささげまつ)り、伊波比伏(いわいふ)しつつ拝奉(おろがみまつ)る状(さま)を相宇豆那比(あいうずない)給(たま)ひ、安幣(やすみてぐら)の足幣(たるみてぐら)と平(たいら)けく安(やす)らけく聞食(きこしめ)して、今(いま)より後(のち)も弥遠(いやとお)に弥永(いやなが)に守幸給(まもりさきわえたま)へと、恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(もう)す。

古典の本文を独自に組版。現代語訳と英訳は祈りの杜によります。

ゆかりの神仏

出典・参考資料