古事記・下巻(人の世へ続く物語)・第20話/22
民のかまどと、仁徳天皇
煙の見えない国を見渡して。
本文をもとにした、あらすじ
仁徳天皇の段には、堤や池を造り、難波の堀江を掘って海へ通すなど、水と暮らしに関わる事業が記されています。その後に、人々の暮らしを国の煙から見ようとする話が続きます。
高い山から国を見渡した天皇は、煙が立たないのを見て、人々が貧しいのだと考えます。そして三年のあいだ、人々の課役を免じます。自分の殿が傷んで雨漏りをしても修理せず、雨を受け止めたり、漏れない場所へ移ったりして過ごします。
後に再び国を見ると煙が満ち、人々が豊かになったと判断して課役を再開します。本文は、この御世を聖なる天皇の時代とたたえます。神話だけでなく、望ましい治世の姿を語る物語も『古事記』には含まれています。
読み合わせの手がかり
人々の負担を免じる場面と、自分の殿の修理を後回しにする場面が対になっています。本文は、国の様子を二度見渡すことで、暮らしの変化を描きます。
この話の出典
以下の本文の該当箇所をもとに、筋を要約しています。前後の記述は、出典でお読みいただけます。
- 青空文庫(武田祐吉注釈校訂)「『校註 古事記』聖の御世」(2026-10-15 確認)