いのりのもり祈りの杜仮称

スッタニパータ「善く語られたものの経」

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関西パーリ語実習会 日本語訳

日本語訳の本文

3.3. 善く語られたものの経

このように、わたしは聞きました。或る時のことです。世尊は、サーヴァッティー(舎衛城)に住んでおられます。ジェータ林のアナータピンディカ〔長者〕の林園(祇園精舎)において。そこで、まさに、世尊は、比丘たちに告げました。「比丘たちよ」と。「幸甚なる方よ」と、それらの比丘たちは、世尊に答えました。世尊は、こう言いました。

「比丘たちよ、四つのものがあります。〔これらの〕支分を具備した言葉は、善く語られたものとして有り、悪しく語られたものではなく、識者たちにとって、かつまた、罪過なきものとなり、かつまた、批判なきものとなります。どのようなものが、四つのものなのですか。比丘たちよ、ここに、比丘が、まさしく、善く語られた〔言葉〕を語ります⸺悪しく語られた〔言葉〕ではなく。まさしく、法(教え)〔の言葉〕を語ります⸺法(教え)ならざる〔言葉〕ではなく。まさしく、愛慕ある〔言葉〕を語ります⸺愛慕なき〔言葉〕ではなく。まさしく、真理(真実)〔の言葉〕を語ります⸺偽り〔の言葉〕ではなく。比丘たちよ、まさに、これらの四つの支分を具備した言葉は、善く語られたものとして有り、悪しく語られたものではなく、識者たちにとって、かつまた、罪過なきものとなり、かつまた、批判なきものとなります」と。世尊は、この〔言葉〕を言いました。善き至達者は、この〔言葉〕を言って、そこで、他にも、教師は、こう言いました。

偈 450〔世尊は言った〕「正しくある者たちは言う。『善く語られた〔言葉〕は、最上のものである』〔と〕⸺〔それが、第一である〕。『法(教え)〔の言葉〕を話すように。法(教え)ならざる〔言葉〕ではなく』〔と〕⸺それが、第二である。『愛慕ある〔言葉〕を話すように。愛慕なき〔言葉〕ではなく』〔と〕⸺それが、第三である。『真理(真実)〔の言葉〕を話すように。偽り〔の言葉〕ではなく』〔と〕⸺それが、第四である」と。(1)

そこで、まさに、尊者ヴァンギーサが、坐から立ち上がって、一つの肩に衣料を掛けて、世尊のおられるところに、そこへと合掌を手向けて、世尊に、こう言いました。「世尊よ、わたしに、〔詩偈が〕明白となります(詩偈が思い浮かびます)。善き至達者たる方よ、わたしに、〔詩偈が〕明白となります」と。「ヴァンギーサよ、あなたに、〔詩偈が〕明白となれ(それを語りなさい)」と、世尊は言いました。そこで、まさに、尊者ヴァンギーサは、世尊を、〔その〕面前で、諸々の適切なる詩偈をもって奉賛しました。

偈 451〔尊者ヴァンギーサが言った〕「まさしく、その言葉を語るがよい⸺その〔言葉〕によって、自己を苦しめず、かつまた、他者たちを害さないなら。それは、まさに、善く語られた言葉である。(2)

偈 452まさしく、愛慕ある言葉を語るがよい⸺その言葉が、〔皆に〕喜ばれるものであるなら⸺その〔言葉〕が、諸々の悪しきものを取らずして、他者たちに語る、愛慕あるものであるなら。(3)

偈 453真理は、まさに、不死の言葉である。これは、永遠の法(真理)である。真理において、そして、義(道理)において、さらに、法(教え)において、〔自己を〕確立した正しくある者たちは、〔このように〕言う。(4)

偈 454涅槃〔の境処〕に至り得るために、苦しみの終極を為すために、覚者が語る、〔まさに〕その、平安の言葉⸺それは、まさに、諸々の言葉のなかの最上のものである」〔と〕。ということで⸺(5)

善く語られたものの経が第三となり、〔以上で〕終了となる。

この杜による要点

本文の下の「要点」は、パーリ語本文と対訳を参照し、この杜が自分の言葉でまとめたものです。訳文の引用ではなく、読み方の一つの手がかりとしてお読みください。語の解釈が複数ある箇所では、掲載訳と要点の読み方が異なることがあります。

対応する本文へ よく語られた言葉、道理にかなう言葉、相手に優しい言葉、偽りのない真実の言葉。この四つが尊ばれる、とブッダは説く。

対応する本文へ ヴァンギーサは言った。自分を苦しめず、他人を害さない言葉を語れ。それがよく語られた言葉である。

対応する本文へ 皆に喜ばれる優しい言葉を語れ。悪いものを含まず、他人にかける愛情ある言葉を。

対応する本文へ 真実は不死の言葉であり、永遠の道理である。真実と道理と教えに立つ正しい人々は、そう言う。

対応する本文へ 安らぎに至り苦しみを終わらせるために覚者が語る平安の言葉。それが言葉の中の最上のものである。

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収録した訳と出典

日本語訳:関西パーリ語実習会(2023年公開版)。公開元:SuttaCentral。全5章・70経と序・結び、巻末の21詩を収録版の73単位で掲載。

訳文の文字・補足を保ち、ふりがなをこの杜が読書の補助として添えています。この杜による要点は、訳文と分けて掲載しています。

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