古事記・上巻(神々の時代)・第8話/22
兎を助けた神の、長い旅
大穴牟遅から、大国主へ。
本文をもとにした、あらすじ
兄弟の八十神の荷物を背負って稲羽へ向かう大穴牟遅神は、傷ついた兎に出会います。兎は海の鰐をだまして渡ろうとしたため皮を剥がれ、兄弟たちの教えに従って傷をひどくしていました。大穴牟遅神は水で洗い、蒲の花粉を敷いた上に寝転ぶよう教え、兎は元の姿に戻ります。
八上比売が大穴牟遅神を選ぶと、兄弟たちは怒り、命を奪おうとします。母神の願いを受けた神産巣日神が遣わした貝の女神たちや、母神自身の助けによって、大穴牟遅神は危機を越えます。やがて須佐之男命のいる根の堅州国へ向かいます。
そこで須世理毘売と結ばれ、蛇や蜂のいる室、火を放たれた野などの試練を、彼女や鼠の助けで切り抜けます。二人が逃げ出すと、須佐之男命は追いながら、大国主神となって国を治めるよう告げます。助ける者であった神が、幾度も助けられ、国作りへ向かう物語です。
読み合わせの手がかり
この一連の場面では、旅の前半の大穴牟遅神から、須佐之男命に呼びかけられる大国主神へと呼称が移ります。同じ神に複数の名があることも、物語をたどる手がかりです。
関わりのある神様
この話に関係する、掲載済みのお参り先です。古典と後世の信仰の違いは、それぞれの紹介に記しています。
この話の出典
以下の本文の該当箇所をもとに、筋を要約しています。前後の記述は、出典でお読みいただけます。
- 青空文庫(武田祐吉注釈校訂)「『校註 古事記』菟と鰐」(2026-10-15 確認)
- 青空文庫(武田祐吉注釈校訂)「『校註 古事記』貝の女神たちによる蘇生」(2026-10-15 確認)
- 青空文庫(武田祐吉注釈校訂)「『校註 古事記』根の堅州国」(2026-10-15 確認)