いのりのもり祈りの杜仮称

日本書紀・神代上(天地と神々の誕生)・第10話/17

五十猛神と、青い山々

木の種を広める二つの一書(あるふみ)

一書(あるふみ)

巻第一・第八段 一書第四

素戔嗚尊(すさのおのみこと)は子の五十猛神(いそたけるのかみ)を伴って新羅(しらぎ)の曽尸茂梨(そしもり)に降りますが、そこには住まず、舟で東へ渡って出雲に至ると語られます。素戔嗚尊(すさのおのみこと)が大蛇を退治して得た剣を、五世の子孫である天之葺根神(あめのふきねのかみ)に託し、天へ献上させる筋も続きます。

五十猛神(いそたけるのかみ)は天から木の種を持ってきており、筑紫から国中へまいて、青い山々を作ったとされます。この一書(あるふみ)はその功をたたえ、紀伊(きい)に鎮まる神としています。

一書(あるふみ)

巻第一・第八段 一書第五

別の一書(あるふみ)では、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の体の毛が杉・檜などの木になり、舟や宮の材など、それぞれの用途が定められます。五十猛命(いそたけるのみこと)・大屋津姫命(おおやつひめのみこと)・枛津姫命(つまつひめのみこと)の三神が木の種を広め、紀伊(きい)へ赴くと語られます。

『古事記』と読み比べる

『古事記』の大蛇退治に、この新羅(しらぎ)への降下や三神による植樹の筋はありません。出雲に降る神の物語に、海を越える旅や木々の由来が添えられた一書(あるふみ)です。

関わりのある神様

この話に関わる、掲載済みのお参り先です。書物ごとの神名の表記と、現在の紹介名には違いがあります。

この話の出典

漢文原文の該当箇所から独自に要約しました。リンク先は各巻の全文です。枛津姫命の表記は東北アジア歴史財団の公開資料で確認しています。Wikisourceの当該箇所には「採津姫命」とあり、ここには表記差があります。