いのりのもり祈りの杜仮称

スッタニパータ「ドータカ学徒の問い」

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関西パーリ語実習会 日本語訳

日本語訳の本文

5.6. ドータカ学徒の問い

偈 1061かくのごとく、尊者ドータカが〔尋ねた〕「世尊よ、〔わたしは〕あなたに尋ねます。それを、わたしに説いてください。偉大なる聖賢よ、〔わたしは〕あなたの言葉を待ち望みます。あなたの話を聞いて、自己の涅槃を学ぶのです」〔と〕。(1)

偈 1062かくのごとく、世尊は〔答えた〕「ドータカよ、まさに、それでは、熱く為しなさい⸺まさしく、この〔世において〕、賢明なる者となり、気づきある者となり。これから〔告げ知らせる、わたしの〕話を聞いて、自己の涅槃を学ぶのです」〔と〕。(2)

偈 1063〔尊者ドータカが言った〕「わたしは、見ます⸺天〔の神々〕と人間たちの世において、〔正しく〕振る舞う、無一物の婆羅門を。一切に眼ある方よ、〔まさに〕その、あなたを、〔わたしは〕礼拝します。釈迦〔族〕の方よ、わたしを、諸々の懐疑から解き放ってください」〔と〕。(3)

偈 1064〔世尊は答えた〕「わたしは、〔あなたを、諸々の懐疑から〕解き放つことはできません。ドータカよ、誰であれ、世における懐疑者を、〔諸々の懐疑から解き放つことはできないのです〕。ですから、最勝の法(真理)を〔常に〕証知しながら、このように、あなたは、〔あなた自身で〕この激流を超えるのです」〔と〕。(4)

偈 1065〔尊者ドータカが言った〕「梵たる方よ、慈悲ある者として、教えてください⸺わたしが識知しなければならない、〔まさに〕その、遠離の法(教え)を。すなわち、わたしが、虚空のように、〔誰をも〕憎悪することなく、まさしく、この〔世において〕、寂静なる者として、依存なき者として、〔あるがままに〕行なうべく」〔と〕。(5)

偈 1066かくのごとく、世尊は〔答えた〕「ドータカよ、あなたに、〔真の〕寂静を述べ伝えましょう⸺所見の法(現法:現世)における、伝え聞きではない〔真の寂静〕を。それを知って、〔あるがままに〕行なう、気づきある者は、世における執着を超えるのです」〔と〕。(6)

偈 1067〔尊者ドータカが言った〕「そして、その〔真の寂静〕を、わたしは大いに喜びます⸺偉大なる聖賢よ、〔あなたが説くであろう〕最上の寂静を。それを知って、〔あるがままに〕行なう、気づきある者は、世における執着を超えるのです」〔と〕。(7)

偈 1068かくのごとく、世尊は〔答えた〕「ドータカよ、それが何であれ、〔あなたが〕正しく知るなら、上に、下に、さらに、また、横に、〔その〕中間において、これを、『世における執着〔の対象〕である』と知って、種々なる生存のために、渇愛〔の思い〕を為してはなりません」〔と〕。ということで⸺(8)

ドータカ学徒の問いが第五となり、〔以上で〕終了となる。

この杜による要点

本文の下の「要点」は、パーリ語本文と対訳を参照し、この杜が自分の言葉でまとめたものです。訳文の引用ではなく、読み方の一つの手がかりとしてお読みください。語の解釈が複数ある箇所では、掲載訳と要点の読み方が異なることがあります。

対応する本文へ 尊者ドータカが尋ねた。世尊よ、あなたに尋ねます。偉大な聖賢よ、お言葉を待ち望んでいます。あなたの話を聞いて、自分の涅槃を学ぶのです、と。

対応する本文へ 世尊は答えた。ドータカよ、それならこの世で賢明に、気づきをもって、熱心に励みなさい。これから語る話を聞いて、自分の涅槃を学ぶのです、と。

対応する本文へ 尊者ドータカは言う。神々と人間の世を、何も持たずに歩む真の聖者を、私は見ています。すべてを見る方よ、礼拝します。釈迦族の方よ、疑いから解き放ってください、と。

対応する本文へ 世尊は答えた。ドータカよ、私は世の誰であれ、疑う人を解き放つことはできません。ですから最上の真理を常に知りながら、あなた自身でこの激流を渡るのです、と。

対応する本文へ 尊者ドータカが言った。梵なる方よ、慈悲をもって、私が知るべき遠離の教えを教えてください。虚空のように誰も憎まず、この世で静まり、何にも依存せずに歩めるように、と。

対応する本文へ 世尊は答えた。ドータカよ、あなたに真の静けさを伝えましょう。今この世において、伝え聞きではない静けさを。それを知って気づきをもって歩む人は、世の執着を越えるのです、と。

対応する本文へ 尊者ドータカが言った。偉大な聖賢よ、あなたの説く最上の静けさを大いに喜びます。それを知って気づきをもって歩む人は、世の執着を越えるのです、と。

対応する本文へ 世尊は答えた。ドータカよ、上にも下にも横にも中間にも、正しく知るものがあるなら、これを世の執着の対象と知って、さまざまな生存のために渇愛を起こしてはなりません、と。

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収録した訳と出典

日本語訳:関西パーリ語実習会(2023年公開版)。公開元:SuttaCentral。全5章・70経と序・結び、巻末の21詩を収録版の73単位で掲載。

訳文の文字・補足を保ち、ふりがなをこの杜が読書の補助として添えています。この杜による要点は、訳文と分けて掲載しています。

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