いのりのもり祈りの杜仮称

経文・1914年刊の経本・歴史的仮名遣い

観音経・普門品偈かんのんぎょう・ふもんぼんげ

『妙法蓮華経』第二十五品の「世尊妙相具」から「是故応頂礼」まで。普門品全体ではありません。読みは原資料の「くわん」「めう」などの歴史的仮名遣いを残し、本文の字形を一部新字体に整え、仮名の大小は大きい仮名に揃えています。底本の「能伏災火風」は、同紙の読みと法楽寺の訓読文を照合して「能伏災風火」に校訂しています。

1

世尊妙相具(せそんめうさうぐ)

我今重問彼(がこんぢうもんぴ)

仏子何因縁(ぶつしがいんねん)

名為観世音(みやうゐくわんぜおん)

具足妙相尊(ぐそくめうさうそん)

偈答無尽意(げたふむじんに)

汝聴観音行(によちやうくわんのんぎやう)

善応諸方所(ぜんのうしよはうしよ)

弘誓深如海(ぐぜいじんによかい)

歴劫不思議(りやくこふふしぎ)

侍多千億仏(じたせんおくぶつ)

発大清浄願(ほつだいしやうじやうぐわん)

我為汝略説(がゐによりやくせつ)

聞名及見身(もんみやうぎうけんしん)

心念不空過(しんねんふくうくわ)

能滅諸有苦(のうめつしよいうく)

2

仮使興害意(けしこうがいい)

推落大火坑(すいらくだいくわきやう)

念彼観音力(ねんぴくわんのんりき)

火坑変成池(くわきやうへんじやうち)

或漂流巨海(わくへうりうこかい)

龍魚諸鬼難(りうぎよしよきなん)

念彼観音力(ねんぴくわんのんりき)

波浪不能没(はらうふのうもつ)

或在須弥峯(わくざいしゆみぶ)

為人所推堕(ゐにんしよすいだ)

念彼観音力(ねんぴくわんのんりき)

如日虚空住(によにちこくうぢう)

或被悪人逐(わくひあくにんちく)

堕落金剛山(だらくこんがうせん)

念彼観音力(ねんぴくわんのんりき)

不能損一毛(ふのうそんいちまう)

3

或値怨賊繞(わくちおんぞくねう)

各執刀加害(かくしふたうかがい)

念彼観音力(ねんぴくわんのんりき)

咸即起慈心(げんそくきじしん)

或遭王難苦(わくさうわうなんく)

臨刑欲寿終(りんぎやうよくじゆしう)

念彼観音力(ねんぴくわんのんりき)

刀尋段段壊(たうじんだんだんゑ)

或囚禁枷鎖(わくしうきんかさ)

手足被杻械(しゆそくひちうかい)

念彼観音力(ねんぴくわんのんりき)

釈然得解脱(しやくねんとくげだつ)

呪詛諸毒薬(じゆそしよどくやく)

所欲害身者(しよよくがいしんしや)

念彼観音力(ねんぴくわんのんりき)

還著於本人(げんぢやくおほんにん)

4

或遇悪羅刹(わくぐうあくらせつ)

毒龍諸鬼等(どくりうしよきとう)

念彼観音力(ねんぴくわんのんりき)

時悉不敢害(じしつぷかんがい)

若悪獣囲遶(にやくあくじうゐねう)

利牙爪可怖(りげさうかふ)

念彼観音力(ねんぴくわんのんりき)

疾走無辺方(しつそうむへんぱう)

蚖蛇及蝮蠍(ぐわんじやぎうぶくかつ)

気毒煙火燃(けどくえんくわねん)

念彼観音力(ねんぴくわんのんりき)

尋声自廻去(じんしやうじゑこ)

雲雷鼓掣電(うんらいくせいでん)

降雹澍大雨(がうばくじゆだいう)

念彼観音力(ねんぴくわんのんりき)

応時得消散(おうじとくせうさん)

5

衆生被困厄(しゆじやうひこんやく)

無量苦逼身(むりやうくひつしん)

観音妙智力(くわんのんめうちりき)

能救世間苦(のうぐせけんく)

具足神通力(ぐそくじんづうりき)

広修智方便(くわうしゆちほうべん)

十方諸国土(じつぱうしよこくど)

無刹不現身(むせつぷげんしん)

種種諸悪趣(しゆしゆしよあくしゆ)

地獄鬼畜生(ぢごくきちくしやう)

生老病死苦(しやうらうびやうしく)

以漸悉令滅(いぜんしつりやうめつ)

真観清浄観(しんくわんしやうじやうくわん)

広大智慧観(くわうだいちゑくわん)

悲観及慈観(ひくわんぎうじくわん)

常願常瞻仰(じやうぐわんじやうせんがう)

6

無垢清浄光(むくしやうじやうくわう)

慧日破諸闇(ゑにちはしよあん)

能伏災風火(のうぶくさいふうくわ)

普明照世間(ふみやうせうせけん)

悲体戒雷震(ひたいかいらいしん)

慈意妙大雲(じいめうだいうん)

澍甘露法雨(じゆかんろほふう)

滅除煩悩焔(めつじよぼんなうえん)

諍訟経官処(じやうしようきやうくわんしよ)

怖畏軍陣中(ふゐぐんぢんちう)

念彼観音力(ねんぴくわんのんりき)

衆怨悉退散(しゆおんしつたいさん)

妙音観世音(めうおんくわんぜおん)

梵音海潮音(ぼんのんかいてうおん)

勝彼世間音(しようひせけんのん)

是故須常念(ぜこしゆじやうねん)

7

念念勿生疑(ねんねんもつしやうぎ)

観世音浄聖(くわんぜおんじやうしやう)

於苦悩死厄(おくなうしやく)

能為作依怙(のうゐさゑこ)

具一切功徳(ぐいつさいくどく)

慈眼視衆生(じげんじしゆじやう)

福聚海無量(ふくじゆかいむりやう)

是故応頂礼(ぜこおうちやうらい)

古典・伝統的本文のみを使用。現代の解説・翻訳・写真・音声・紙面デザインは転載していません。

ゆかりの神仏

出典・参考資料